白いジャージ ~先生と私~
やった!!
「練習の成果出るといいなぁ・・・じゃ、ラスト1本25メートル行くか!」
大きく息を吸い込んで
先生に教えてもらったように、潜水で進んでから
足をバタバタ・・・
息継ぎの合間に見えた太陽は、とても眩しくて
だんだん夢の中のような気分になる。
先生・・・
先生とのこの夏休み
私・・今までの人生で一番幸せだった。
こんな夏が
来るなんて
先生・・・・・
大好きだよ・・
「おぉおおおお!!!!!矢沢!!!やったじゃん!」
先生の声と共に、私の右手がプールサイドへ着いた。
あれ?
私・・いつの間にか25メートル・・・・・泳いでた?
これも人生初!
スイミングスクールへ行っても、泳げなかった私が
今、先生のこと考えてるうちに泳げてたんだ。
顔の筋肉、全部使って嬉しそうに私を見るその人の、
大好きなその人の待つ
プールサイドへ
私は
この日のことも 忘れない。