白いジャージ ~先生と私~
鈍感なんだね、先生。

それとも、わざと気付かないフリしてくれてるの?

だって、先生は先生だもんね。

生徒に告白されることほど、困ることってないよね・・


「今日は、俺が車で送るから。お母さんには、さっき電話しといた。歩けるか?」

「立てない・・先生、抱っこして・・」

「ば~か!!お前、重いから抱っこしてやんない。」


先生は意味深な笑みを浮かべながら天井に視線を移す。


「先生、私の事お姫様だっこして、ここまで運んでくれたの?」

「あっははははは・・お姫様だっこなんてするわけないだろ?俺は、王子かよ?お前を肩から担いで連れてきた。」

「え~~~~??担いだの?荷物みたいじゃん・・ショック・・」

本当は涙出ちゃうくらい嬉しかったんだ。

私、先生に運ばれたんだ。

先生に担がれたんだぁ。


保健室の天井を眺めながら、先生に担がれた感触を思い出そうとする。


「歩けるだろ?帰るぞぉ!」

先生は、ニヤける私にそっと手を差し伸べてくれた。

私は、ゆっくりと先生の手を取り、ベッドから立ち上がる。


先生の手を握るなんて・・初めてだよ。

分厚くて、大きい手。


先生、大好き。



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