白いジャージ ~先生と私~


抜け殻のようになった私は、あれからまだ泣いていない。


話を聞いたゆかりが号泣してくれた。


ゆかりは言った。


「先生の愛なんだよ、それが。」


だけど、納得できない表情で私の頭を撫でるゆかり。



先生は、依子が家を探しに来ていることも知っていた。

ゆかりの解釈では、私に辛い思いをさせないように自分から距離を置いた・・って。



『卒業式のあと、迎えに行く』


その言葉を信じて、あと1年半の長い時間を笑って過ごせるほど



私は



強くない。



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