白いジャージ ~先生と私~
第10章
夏の終わり
先生と別れてから、1ヶ月が過ぎた。
私は、普通に生活できるようになった。
最初の1週間は・・・
笑うことも、辛かった。
以前と変わったこと・・・
先生を目で追わなくなったこと。
先生を避けるようになったこと。
授業中以外、先生と会うことがなくなったこと。
会いにいこうとしなければ、先生に滅多に会わないんだと気付いた。
廊下を歩く先生が、いつも目の端に映る。
私は、先生の気配を感じると、窓の外を見るようになった。
授業中・・先生が、何事もなかったかのように、私の名前を呼ぶ。
そのたびに、胸の中がえぐられるような痛みが走った。
夏の終わりと共に・・・・
短い私の恋も終わった。
本当は終わってなんかいない。
だけど、無理にでも終わらせないと、私は消えてしまいそうだった。