教えて、春日井くん
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この1ヶ月で変化したのは、教室の移動とか、お手洗いとかで廊下に出るたびに、自然と春日井くんのことを探してしまうようになった。
春日井くんが秋本くんと話していると、女の子が声をかけた。噂によると女子が苦手らしい秋本くんはスッと消えていく。
女の子は春日井くん目当てだったらしく、秋本くんがいなくなったことを気にするようすもなく、頬を紅潮させながら話している。
不誠実でチャラいと言われていたけれど、春日井くんってモテる。
遊びで近く子が多くても、中には本気で好きな子がいるのは見ていてわかってしまう。
春日井くんに声をかけた女の子が、ちらりと私に鋭い視線を向けてくる。邪魔をするなというような視線に怯んでしまう。
誰にも話していないけれど、私たちはお試しで1ヶ月付き合っている関係で、相思相愛になって付き合ったわけではない。
彼のことを好きな女の子を目の当たりにして、私は自分の足場がぐらりと揺れた気がした。
一番不誠実なのは私だ。
本気で春日井くんを想う女の子のためを思うのなら、私はこの関係を手放すべき。
だけど、それをする勇気が何故だかでなかった。