教えて、春日井くん



放課後になり、春日井くんとの待ち合わせ場所へ向かう。

先ほどメッセージが届いて、今日は放課後にどこかへ出かけようかと提案をされたので、昇降口で待ち合わせをしている。


春日井くんと初めてどこかへ行くことが嬉しくて、感情がジェットコースターにでものっているように忙しい。

廊下を歩いていると話し声が聞こえてくる。階段付近で男女がいちゃついているようだった。ここかれでは女子の姿しか確認できないけれど、男子の足が少し見える。



「————だって」

「————なの!」


声に聞き覚えがあるとぼんやり思っていると、ちょうど両方の姿が見えてくる。相手は脱色した髪の男子だった。


あんな目立つ髪の人はひとりしかいない。




「最近遊んでくれなくて寂しかった」

そう言って抱きついたことに、思わず息を飲んだ。

私の彼氏であるはずの人が、女子に抱きつかれている。
しかも今朝話しかけてきた女子とも、春日井くんのことが好きそうだった子とも別の人だった。




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