教えて、春日井くん




「わかった。別れよっか」

すんなりと、なんの抵抗もなく春日井くんが受け入れた。

終わりなんて虚しいくらいあっという間で、一気に彼が手の届かない存在になってしまう。



涙が自然と頬に伝う。

付き合って苦しい思いをするのが嫌なのに、別れても別の苦しさが押し寄せてくる。一体いつから私はこの人のことで頭がいっぱいになっていたのだろう。



でももう触れることすらできない。




「どうして泣くの」

困ったように春日井くんが笑う。


「だって、春日井くん……っ、私の初めてのキス奪った」

「……うん、ごめん」

「それから、私……っ、春日井くんで頭いっぱいになってて。でも春日井くんプレイボーイだしモテるし、女の子よってくるし」

「それは……うん、ごめん」


子どもをあやすような相槌を打たれながら、私は涙ながらに気持ちを吐露していく。

どうせ終わりならもう、全部言いたいことを言ってしまおうか。




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