教えて、春日井くん
「私……春日井くんのことで頭がいっぱいなの。他の女の子が春日井くんにくっついていたら嫌だって思うし、早く会いたいとか思っちゃう」
「……うん」
「これって恋であってるのかな。教えて、春日井くん……」
恋って未知の世界だった。
憧れもあったけれど、私は物語の中の幸せで甘い恋を知れるだけで十分だと思っていたんだ。
だけど、醜い感情もひっくるめて春日井くんを独占したい。
「俺も御上さんとおんなじ。それが好きってことだよ」
「私の彼氏になってくれる……?」
「うん。俺のこと、彼氏にして。今以上に大事にするから」
さらにぎゅっと抱きしめられる。別れてすぐに再び付き合うなんて、思いもしなかった。
だけど今度はお互い恋愛感情のある付き合いだ。
春日井くんが私から離れると、くるりと振り返って見上げる。
涙の跡が残った私の頬を申し訳なさそうに撫でる春日井くんの手をガシッと掴んだ。
「それでいつするの?」
「するって?」
「私をいつキス以上のことするの?」
「な、なに急に言ってんのっ!」
あわあわしている春日井くんは本当にリードしていたという男と同一人物なのだろうか。女の子と初めて付き合う男子のようだ。