教えて、春日井くん
「春日井くんのせいで、私変になった」
「そんなにキスがよかった?」
不適に笑われて、ちょっとだけ悔しくなるけれど事実である。あのキスが忘れられない。
無言を肯定と受け取ったらしく、春日井くんが「よかった」と返してきた。よくない。私の心は不純の塊になってしまった。
「俺が責任取るよ」
「責任って?」
「御上さんが望む行為、俺が再現してあげる」
それは甘くて、ずるい悪魔の囁き。
至近距離で見つめ合っていると、春日井くんの手が私の後頭部に伸びてくる。
「あ……待って」
「待てない」
本当にだめなのと逃げようとしても、カーテンに包まっているため逃げ場がない。
「そこ……たんこぶ出来てるの。昨日ブランコから落ちちゃって」
「へー……痛い?」
「あっ、痛い……待って、押さないで……っ」
予想外だったらしく、肩を揺らしながら笑ってくる。
「たんこぶって」
「ぃ、痛い!」
私の頭にできたたんこぶを春日井くんが容赦無く押して、楽しんでいた。
痛いって言ってるのに。すごく、ものすごく意地悪だ。
「キスしてほしいんだっけ?」