教えて、春日井くん
涙が浮かんだ目から見える彼は滲んでいる。
けれど楽しげなのは伝わってきて、指に触れている春日井くんの舌先から欲望が湧き出てしまう。
「きす……したい、お願い……」
「——っ、な」
初めてした時のことが忘れられない。
変態でも、この1ヶ月は彼女だ。だから私ははしたなくも強請ってしまう。
「もう、待てない。……春日井くん」
私の欲望を叶えてほしい。もう抑える方法がわからなくて困る。
「あのさ、本当、あのさぁ……っ!」
春日井くんは私の手を解放すると、両手で顔を覆って俯いてしまう。
「? どうしたの?」
まさか私の欲望にドン引きしたのだろうか。いやでも、私が変態なのは知っているはず。春日井くんは予測不可能すぎる。
「キスはダメ」
「な、なんで!? したいしたい!」
「駄々こねない! 痴女か!……いや痴女だよな」
私がキスしたいって知ってて、禁止するのはただの意地悪だ。これは抗議案件だ!けれど譲らないといった様子で春日井くんは私と目も合わせてくれない。
「自分だって今私の指舐めたのに!」
「じゃあ、俺のも舐めれば」
「わかった」
「え、あ、ちょっ!?」