教えて、春日井くん



「そうだよ」

キリッとした顔で答えると、春日井くんが勢いよく顔を上げる。


「春日井くん、私は貴方の体が目当てです!」

「そ、それはどうかと……」

「ダメなの?」

「いや、でも俺が言えることじゃないのか……?」

一人では再現できないシチュエーションのため、春日井くんに協力してもらう。それが私の欲望だ。



「それなら俺は、御上さんに好きって思ってもらえるように頑張るよ」

私が春日井くんのことを恋愛的に好きになる……?


「だとしたら、それは私の初恋だね」

「え? 恋したことないの?」

「ないです」

誰かに恋をしたことは一度もない。
それに男の子とあまり関わってこなかったし、親戚の男の子はすごく子どもっぽくて嫌だった。

漫画の中のような誰かに夢中になる気持ちを体験したことがないのだ。



「俺、御上さんの初恋がほしい」

懇願するように言われて、返答に詰まり唇をきゅっと結ぶ。

春日井くんってなんだか掴めない。

女遊びが激しい人だったのに、それをやめてまで私に告白をしてきて好きになってほしいと言ってくる。理由もちゃんとは教えてくれない。





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