教えて、春日井くん


普通、そうなのかな。
でも相手は春日井くんだからさらりと話してくれるのかと思った。

それに私にはあのチャラチャラとしていて、女の子慣れをしている春日井くんの初々しかった時期には、すごーく興味がある。まずはファーストキスから聞きたい。


「初めてのキスの感想なんて、自分が彼氏としてみればいい話じゃん」

「まあ、確かにそうだね。でも私彼氏いないから」

実体験なんて当分先の話になりそうだ。


「……俺じゃダメなの?」

「うーん、だって春日井くん本気で私に告白なんてしてないでしょ」

「遊びじゃないんだけどなぁ」

春日井くんはなにかを考えるように視線を落とす。
その仕草が綺麗で、中学生くらいの時はもっと美少年系だったのかなと想像して頬が緩む。

美少年時代の彼をひと目でいいから見てみたかった。


「俺のファーストキスは、女の先輩と話してたら気づいたら顔が近くて」

再現するように春日井くんが私に顔を近づけてくる。


「こんな感じで」

その距離、およそ数センチ。吐息がかかるくらい私たちは至近距離にいた。



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