教えて、春日井くん
「だいたいさ、初めてをあげるって意味わかってる?」
「うん?」
「絶対本当の意味で理解してない」
春日井くんの頭が私の肩に乗ってくる。その重みで、床に座り込む形になってしまった。
「男にこういうところ触れられたこと、ないでしょ」
「……春日井くん?」
「いやなら突き飛ばして」
膝に春日井くんの手が触れて、そのまま太ももの方へと上がってくる。
スカートの中に容易く侵入した大きな手が、私のことを優しく撫でるように動く。
「……っ、」
呼吸の仕方を忘れそうなくらいドキドキしている。
くすぐったくて、だけどゾクリとして、耐えるように下唇を噛み締めた。
こんな場所を誰かに触られたのは初めてだ。
「御上さん、緊張してる?」
「だって、春日井くんが……触るから」
「これくらいでそんな顔してるなら、もっと先のことしたら緊張で倒れちゃうんじゃない?」
それは、それで困るような気がする。いざというときに、そんな風に倒れてしまったらいつまでたってもできなさそうだ。
「……つまり練習が必要?」
「どうしてそうなるかな?」
肩に埋められていて春日井くんの顔は見えない。
でもダメとは言われていないので、思い切って頼んでみよう。