教えて、春日井くん



「それでさ、頭に手を回されて」

私の頭に春日井くんが手を回し、もう片方の手で私の手を掴む。そして指が絡みあった。


「ん……っ!?」

顔を傾けた春日井くんとの距離がなくなる。

そっと触れるような優しいキス。
想像よりもずっと柔らかくて、自分以外の相手の体温を感じて心拍数が上がっていく。


後頭部に回っていた手がゆっくりと下がってきて、私の耳に触れる。

その感覚がくすぐったくてぞくりとした。身を捩ると耳の中に春日井くんの指が入ってくる。

私にとっては、あまりにも刺激的な行為に声が漏れてしまった。


「……っ」

その隙を見逃さないとばかりに口内に舌が侵入する。ぬるりとしていて自分とは異なる予測不可能な動き。

なにもかも食い尽くされそうで、酸素が足りなくなりそうだった。



甘い。すごく、甘い。

春日井くんのキスは、何故か甘い味がする。



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