教えて、春日井くん
「めちゃくちゃドキドキした」
「予想に反して素直」
「……だって本当のことだし。それにキスって甘いんだなぁって思って」
「甘い? あー……さっき飴舐めてたからかな」
飴で、キスの味、変わる? なにそれ、美味しい。どなたか小説のネタとして飴キスシリーズを書いて私に読ませてください。
「俺と付き合う気になってくれた?」
「春日井くんは初めてじゃないから無理かな」
「初めてってことにして付き合おう?」
なんでそこまでして真実を捻じ曲げるんだ。春日井一樹。
「キス上手いのにそんなわけない」
「初めてでも、キスが上手いやつもいるよ」
「ええ……うーん、どうだろ」
小説の中では大抵初めてのキスは、ちょっとだけ失敗して「えへへ」と彼女とほのぼのしているのが多い。
キスが上手いのはこなれている男だけ。そもそもどうして彼は私に拘るのだろう。女の子なんて選り取り見取りのはず。
「春日井くんは、私のどこがいいの?」