伯爵令嬢のつもりが悪役令嬢ザマァ婚約破棄&追放コンボで冥界の聖母になりました
城門の方から高らかにラッパが鳴り響く。
「ほら、噂をすれば到着なさったようだぞ」
父が立ち上がる。
母に促されてエレナも後についていった。
城館正面の車寄せに王室紋章旗を掲げた四頭立ての四輪馬車が止まっている。
執事が扉を開けると、まず駆け出してきたのは白い子犬だった。
「まあ、ミルヒ!」
しゃがんで両手を広げると、キャンキャンとカワイイ声で鳴きながらエレナに飛び込んでくる。
「おや、もう懐いてるとは」
声のする方を見上げると、そこには黒光りするマントに身を包んだ王子様がいた。
子犬を抱き上げて、はにかみながらエレナは王子に挨拶した。
「ようこそおこしくださいました」
「なぜ、この犬の名前を?」
「さあ……、真っ白で、毛並みも滑らかですもの」
「なるほど」と、王子がマントから手を差し出した。「あらためまして、ルクスです」
「エレナと申します」と、彼女はその手を取った。
お互いに見つめ合う。
自然と顔がほころんでしまう。
初対面なのに、なぜかそんな気がしない。
「ようこそ、ルクス殿下、我が城へ」と父が挨拶を述べる。
「これは伯爵、お久しぶりでございますね。父もよろしくと申しておりました」
「よろしかったら、庭園の方でお茶をご用意しておりますので、どうぞ」
「ああ、天気もいいですしね。ぜひ」
王子がエレナと寄り添いながら庭園の方へ歩き出す。
馬車の旗を見上げながらエレナは思い出し笑いを浮かべた。
これで全部フラグは回収したかしら?
そういえば、もう一人。
白塗りに真っ赤なホッペの妖魔がいたわね。
まさか……出てこないわよね。
「ほら、噂をすれば到着なさったようだぞ」
父が立ち上がる。
母に促されてエレナも後についていった。
城館正面の車寄せに王室紋章旗を掲げた四頭立ての四輪馬車が止まっている。
執事が扉を開けると、まず駆け出してきたのは白い子犬だった。
「まあ、ミルヒ!」
しゃがんで両手を広げると、キャンキャンとカワイイ声で鳴きながらエレナに飛び込んでくる。
「おや、もう懐いてるとは」
声のする方を見上げると、そこには黒光りするマントに身を包んだ王子様がいた。
子犬を抱き上げて、はにかみながらエレナは王子に挨拶した。
「ようこそおこしくださいました」
「なぜ、この犬の名前を?」
「さあ……、真っ白で、毛並みも滑らかですもの」
「なるほど」と、王子がマントから手を差し出した。「あらためまして、ルクスです」
「エレナと申します」と、彼女はその手を取った。
お互いに見つめ合う。
自然と顔がほころんでしまう。
初対面なのに、なぜかそんな気がしない。
「ようこそ、ルクス殿下、我が城へ」と父が挨拶を述べる。
「これは伯爵、お久しぶりでございますね。父もよろしくと申しておりました」
「よろしかったら、庭園の方でお茶をご用意しておりますので、どうぞ」
「ああ、天気もいいですしね。ぜひ」
王子がエレナと寄り添いながら庭園の方へ歩き出す。
馬車の旗を見上げながらエレナは思い出し笑いを浮かべた。
これで全部フラグは回収したかしら?
そういえば、もう一人。
白塗りに真っ赤なホッペの妖魔がいたわね。
まさか……出てこないわよね。