伯爵令嬢のつもりが悪役令嬢ザマァ婚約破棄&追放コンボで冥界の聖母になりました
第4章 冥界の聖母!?
目を開けるとそこはまた闇の世界だった。
もう何度目だろうか。
分かっていることなのに、いまだに慣れない。
「気がついたか」
闇の中で声がする。
誰かの腕を枕にして眠っていたらしい。
「ルクス……ですか」
「そうだ」と、闇が返事をした。
すぐ目の前にいるはずなのに、何も見えない。
そういえば……気を失ったんだった。
最後に見たものを思い出すと、体が震え、鳥肌が立つ。
エレナは手で彼の顔をなでて確かめてみた。
鼻、頬、耳、少し汗ばんで濡れている髪。
彼は人の姿に戻っているようだ。
「何をしている?」
エレナは答えずに彼の髪に指を通していた。
ルクスも彼女のするにまかせて、それ以上何も言わなかった。
今は明かりはいらない。
顔を見られたくなかった。
「泣いているのか」
……言わなくていいのに。
顔を隠したくて体をひねろうとして、自分がまだ服を着ていることに気がつく。
「俺の寝床に入り込んで何をしようとした?」
エレナは答えなかった。
答えられなくて黙っていた。
何をしたかったのか、自分でも分からない。
ただ、そばにいたかった。
一緒にいたかった。
触れ合っていたかった。
ただそれだけなのに。
他に何があったというのだろうか。
それをただ自分は知らないだけなのか。
心の奥に冷たい滴がぽたりと垂れて波紋を広げる。
もう体の火照りもなく、心は冷え切っていた。
もう何度目だろうか。
分かっていることなのに、いまだに慣れない。
「気がついたか」
闇の中で声がする。
誰かの腕を枕にして眠っていたらしい。
「ルクス……ですか」
「そうだ」と、闇が返事をした。
すぐ目の前にいるはずなのに、何も見えない。
そういえば……気を失ったんだった。
最後に見たものを思い出すと、体が震え、鳥肌が立つ。
エレナは手で彼の顔をなでて確かめてみた。
鼻、頬、耳、少し汗ばんで濡れている髪。
彼は人の姿に戻っているようだ。
「何をしている?」
エレナは答えずに彼の髪に指を通していた。
ルクスも彼女のするにまかせて、それ以上何も言わなかった。
今は明かりはいらない。
顔を見られたくなかった。
「泣いているのか」
……言わなくていいのに。
顔を隠したくて体をひねろうとして、自分がまだ服を着ていることに気がつく。
「俺の寝床に入り込んで何をしようとした?」
エレナは答えなかった。
答えられなくて黙っていた。
何をしたかったのか、自分でも分からない。
ただ、そばにいたかった。
一緒にいたかった。
触れ合っていたかった。
ただそれだけなのに。
他に何があったというのだろうか。
それをただ自分は知らないだけなのか。
心の奥に冷たい滴がぽたりと垂れて波紋を広げる。
もう体の火照りもなく、心は冷え切っていた。