Livre magie〜桜色の魔女〜

遠くの物音を聞き取るため、僕は杖を振る。すると大きな無線機が目の前に現れ、僕たちに音の正体を教えてくれるんだ。

「うっ！まだ追ってくる！」

女の子の声と共に、銃声が聞こえてきた。僕とリオンは顔を見合わせる。物の怪に本の中に閉じ込められた人が襲われているんだ。

「急ごう！」

僕とリオンはほうきを取り出し、それに飛び乗る。闇雲に走って探すより、空から飛んで探した方が効率的だ。

急上昇すると、目の前に広がる森と青く輝く海が見える。その美しさに浸るのはあとだ。

「どこにいるんだろう……」

僕は目を凝らし、物の怪や閉じ込められている人を探す。でも気配すら見当たらない。

「捜索魔法を使うか」

リオンがそう言い、杖を降ろうとした刹那、空に花火のようなものが打ち上がった。青空にピンクのハートの花火のようなものが打ち上がる。

「あれは……閃光弾！」

リオンがそう言い、急降下していく。僕もあとを追ってほうきに力を入れた。空にいた僕らを見つけ、合図をしてくれたのかもしれない。