出会いはアプリでした。
兄貴って呼ぶ顔でもないな。
なんてちょっと失礼なことも考えた。



「お兄ちゃんだな、ずっと。」



『やっぱり。』



予想していた呼び方でくすくすと笑う。



「やっぱりって・・・
佐藤さんは」



「あ、佐藤さん。
来てくれてありがとう。」



『こんちは。』



「・・・」



小林弟が言いかけた口を閉じた。



『不備ありました?』



「いや不備はなっかたけどもう少し時数ほしいかなってとこ。
あと別件で1つ頼みたいことがあってさ。
そこの部屋取ってあるから入って?」



事務の内部の1部屋を指さした。



『え?いいんですか!?
事務の内部なんて入ったことない。』



「大丈夫。
どうぞ?」



『失礼しま~す。』



事務カウンターのスイングドアを抑えて入るように促す奏太さん。
こういうことがすんなりできるところが紳士だと思う。
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