出会いはアプリでした。
「もし佐藤さんが大丈夫なら今書き下ろしちゃうけど。」



『全然いいですよ?』



文を考えるは苦じゃないし問題ない。



「え?ほんと?助かる!ありがとう。
弦太打っていける?」



パソコンを起動してUSBを挿し込んだ。
そのままそのパソコンを小林弟に押し付けた。



「そこでボーっとしてるならこれくらいやって?」



出た、有無を言わさない奏太さんの黒い笑み。



「わかったよ。」



「よろしくね。」



学生の間でも有名だ。



「よし、佐藤さんいいよ。」



『はい。』



小林弟の準備が終わったのか覗き込んでいたパソコンから目を離した奏太さんと目が合う。



『・・・そうですね。
高校の頃はもうひたすら練習という感じでした。
大学に入学してからは―――――』



それから30分くらい私の話声とパソコンのタイピング音が部屋に響いた。



「うん、これくらい時数あれば大丈夫。」
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