会長サマと、夢と恋。

「でも会長、付き合うまでは受け身っぽいじゃん! 夏休み、誘ってみても悪くないと思うけどなぁ」

「うん、いつも呼び出されてばっかりだったんだから、たまには陽菜子ちゃんから呼び出してみたら?」

わたしが、……会長を誘う?

「翻弄されてるばっかりじゃ、ダメだよ! 陽菜子からも積極的にならなきゃ」

「た、しかに……、そうかな」

「絶対そう!」

大切な女友達からの言葉が、背中を押してくれて、少し勇気が出て。

「わかった。……今日、会長に連絡してみる!」
わたしの言葉に、盛り上がるアキとミナミ。

「あ、でも夜ね? いまは会長、塾とかかもしれないし」

「えー、今じゃないの? 絶対、どうなったか報告してね!」

今後は嬉しい報告も迷ったりしたことも、マンガアニメ同好会のグループで相談するって決めた。


そして、今日渡したネームを基に、アキが下書きに取り組み始めることになった。
細かいところを直しながらも、順調にいけば夏休みのうちに原稿のペン入れに入れる予定だ。

9月中に完成させられれば、月末締め切りの漫画賞に間に合うかもしれない。

一度はわたしのせいで詰まってしまったけれど、ふたりは決してわたしを責めることなく続きの作業に取り掛かってくれる。

(ほんとうに、アキとミナミが仲間でよかった)

マンガアニメ同好会として、今やれる活動を、精一杯やろう。
自分の気持ちと、同好会への情熱。

今日はいろいろなことを自覚して、気合が入った女子会だった。

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