会長サマと、夢と恋。
その違和感についてこっちが聞くより早く、ひかりちゃんのほうから話し出した。
「わたしもお姉ちゃんに推薦されて、庶務に立候補するんだ。だから陽菜子ちゃんとは選挙のときは敵同士になっちゃうけど……、がんばろうね!」
明るい口調のまま、驚きの発言をするひかりちゃんに、目を見開く。
隣にいる岸会長を見ると、彼もめずらしくびっくりしている様子で。
「えっ、ウソ……⁉︎」
明るくて、美人で、情報科だからきっと頭もよくて、しかもお姉さんは副会長の長沢先輩で。
(……こんな強敵が相手だなんて、どうしよう……‼︎)
少しずつ勇気を出せるようになったとはいえ、根はネガティブなわたしは。
ひかりちゃんとの出会いで、すっかり自信をなくしてしまったんだ。