会長サマと、夢と恋。
……目の前が、真っ暗になるような感覚。
「え……なんで」
「……川西はどうだ。他に頼まれてなければ、やってくれるだろ」
「どうして、会長は⁉︎」
思わず大声をだしてしまったわたしに、会長は眉をしかめた。
「……俺がやらなきゃ、出ないとか言い出すんじゃないだろうな」
図星をつかれて、ドキッとする。
表情からわたしの気持ちを察したのか、ため息をつく会長。
「なんでだよ。お前、そんなに自信がないのか」
「……」
「勉強も俺の手伝いも、なんのために頑張ってきたんだ」
「それは、」
マンガアニメ同好会の存続のため。
そして、岸会長に釣り合う人間になりたかったから。
……だけど結局、胸を張って「自信がついた」って言えないわたしは。
「だって、わたしがひかりちゃんに、勝てるわけないじゃないですか」
「おい、」
「それにっ、岸会長みたいに、なんでもできる人間とは違うんです!」
勢いにまかせて、自分の中の黒い気持ちを会長にぶつけてしまう。