会長サマと、夢と恋。

「岸くんがそう言うなんて、なんか意外。それに二人、息ピッタリだねぇ」

面白そうに言った川西先輩をよそに、岸会長は立ち上がって、荷物を一気にカバンに入れて去って行った。

……考えておく、って、なんで。

あ、あんな人に勉強教わるなんて、どんな目に合うかわかったもんじゃないよ……。

「……陽菜子ちゃん、ほんとに岸くんと話すのはじめてなの?」
「は、はい」

「ふうん。岸くんが初対面の子に心開くなんて、めったにないから、すごいよ」

「……でも、あんなに性格が悪いなんて、知りたくなかったです」

やっぱり男性は、二次元のほうがいい。

こんなふうにゲンメツしないで済むから。
……なんて言ったら、ほとんどの人に笑われてしまうと思うけど。


「それって、もともと岸くんに興味があったってこと?」

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