会長サマと、夢と恋。

「どうだった? ……って、その顔じゃ悪い知らせだよね」

「……うん。今年度いっぱいまでに五人に満たなかったら、廃部だって」
「ええ、じゃあ来年の新入生は待てないってこと?」

「うん。てか実際は、上半期……十月ぐらいまでに五人になってなかったら、アウトだって」
「はぁ⁉ 三か月ぐらいしかないじゃん! しかも丸々一か月、夏休み挟むし」

先生に言われた状況を改めて説明したら、いよいよヤバい、って実感がわいてきた。

あと二人なんて適当に寄せ集めればいいって思うだろうけど、実はこの学校は部活動がさかんで兼部は認められていない。
運動部なんて、全国大会に行くような部がいくつもある。

そんななかで、マンガアニメで、しかも同好会。先生たちからの風当たりが強いのも頷ける。

それに、わたしもアキもミナミも、同じ一年生で同じクラス。他の友達があまりいない。


「どうしよう~……」
壁の棚に飾られた過去の先輩たちの部誌を眺めながらため息をつく。

 わたしたちも部誌を作って活動が認められればいいんだろうけど、人数も人数だし……予算もないし。

< 3 / 177 >

この作品をシェア

pagetop