会長サマと、夢と恋。
いきなり現れた岸会長は、わたしの横に立って彼女たちと向き合った。
「……お前、この人たちと知り合い?」
「えっと……」
どう答えていいかわからないでいると、気の強そうなほうの女の先輩が会長と向かい合って一歩踏み出す。
「……ちょうど良かった。岸くん、この子、なんで生徒会にいるの?」
これ以上わたしに聞いてもムダだと思ったらしい彼女が、直接会長に質問した。
それまで黙っていた大人しそうなほうの先輩が、ちょっとカナ、と止めに入る。
「あんたのために聞いてあげてるんじゃん~」
「そう、だけど……」
二人の様子を見ていた会長は、冷たい笑みを浮かべて。
「……なんか勘違いしてるみたいだけど」
それからわたしを指差して、言った。
「こいつは俺が、そばに置いてんの。なんかしたら、許さないから」
……会長の気迫に圧されたのか。
そうなんだ、と言った二人は図書室を出て行った。
それはきっと、その場をしのぐための言葉だってわかってる。
なのに、ドキドキしちゃってる自分がいる……。