会長サマと、夢と恋。
目の前には、Yシャツの白。
……ゆっくりと顔を上げると……会長の高い鼻が、すぐ近くにあった。
「……っ!!」
わたし、会長の膝にまたがっちゃってるんだ。
あわてて退こうとしたら、……わたしの左腕を掴んでいた会長の手の力がぎゅっと強くなる。
「お前、そのまま仰け反ったらテーブルに頭ぶつけるぞ」
「……え、」
「落ち着けって。……くっつかれたって、なんもしねーから」
きっと、会長にとってはわたしなんか「女子」でもなんでもないんだろう。
でも、こんなふうに密着して、顔が目の前にあって、そのいい声が、耳元で響いて。
こんなの、嫌でも意識しちゃう……。