会長サマと、夢と恋。

「誰から聞いた」

「……噂で」

 生徒会の人たちの名前は出さないようにしたけど、言わなくても出どころの検討がついたらしい会長はため息をついた。


「……中学の時の話だから。今は普通に、ただの生徒会の仕事仲間だ」

 関係ない、でも黙秘でもなく、あっさりと付き合っていたことを認めたことが意外だった。

 でもやっぱり、「これ以上は触れるな」という雰囲気がでていて、それ以上は聞けず、お互い黙って勉強を続けた。

「……お前、今日は何の質問もしてこないけど、大丈夫なのか」

 会長はそんなふうにわたしのテストのことだけを心配していたけど、別のことを考えてるなんて言えるはずない。

「普通に、ただの生徒会の仕事仲間」だと思ってるいるのは岸会長のほうだけじゃないんですか? って……。

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