会長サマと、夢と恋。

……でも、わたし一人で直談判なんて、生意気すぎる?
というか、いきなり話しかけてマトモに話聞いてくれるのかな。


不安になったけれど、そこは生徒会長だもん。
生徒の意見なら優しく聞いてくれる、はず。

あの優しい声、しかもこの整った顔で。
「それは大変だったね、」なんて微笑まれたら……なんて都合のいい妄想をしてはにやけてしまう。

もし、話をするとしたら、今がチャンスだよね。
だけど、寝ている人を起こすなんて……。


「……何?」
「‼」


……声にならない、驚きが漏れた。
聞きまちがいじゃない、目の前から発せられた低い声。

寝ていたはずの会長は体を起こし、じっとこちらを見ている。


「人の顔のぞき込んで、何か用なの?」

 そう聞かれて、心臓が止まりそうになった。
(ウソ! 会長、起きちゃった……⁉)


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