無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「俺がなんで凛李を好きになったか、説明するね」
「え……っ?」
「きっかけは、初めてパスタを作ってくれたときに、食べ方がきれいだなぁって思った。ひとつひとつの動きが丁寧で、気づいたらずっと見てた」
「……そ、そうなの……?」
「うん。それから凛李のことが気になりだして、真面目なところ、反応がおもしろいところ、自分に自信がないところ……凛李の全部がかわいいなぁって思うようになった。あとは……」
「ちょっ、も、もういいよっ……恥ずかしいからやめて……ください……」
「なんで? 凛李の好きなところまだまだあるのに」
なんなんですか、この甘々攻撃は。
どう防御すればいいのかわからないので今すぐに教えてください。
完全に善のペースに流され、タジタジな私。
そんな私の両手を握り、真面目なトーンで「凛李が好き」と再び告白をしてくる善。
こんなことを真剣に言われたら、私の気持ちも溢れそうになる。