無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「でも、とりあえず付き合えてよかったね。初彼氏おめでとうっ!」
「ありがとう……」
「まぁ、同じ屋根に住んでるからってイチャイチャしすぎないでよね?」
「イチャイチャ……っ⁉︎ し、しないよっ!」
「えー? しないことはないでしょー」
「しません」
瑠月は「言い切れるのー?」と、疑いの眼差しを私に向けてくる。
そもそもイチャイチャの定義ってなに?
キスとか、ハグとか……?
付き合ったらするのが当たり前なのかもしれないけど……私が、それを、するの……⁉︎
自分がイチャイチャしてる絵がまったく思い浮かばない。
「あと、このことはとりあえずお母さんには内緒にしててくれる?」
「え⁉︎ 言わないの⁉︎」
「昔からの友人の息子を預かって、こんなすぐに自分の娘とくっついたなんて知ったらおどろくでしょ……」
「そりゃおどろくだろうけど、お母さんのことだから応援してくれると思うけどなぁ」
「とりあえず内緒にして……」
「わかりましたよー」