無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
善は第一印象が最悪だったため、善の荷物が運ばれてくるときも対して気にせず見ることもしなかった。
何もなく殺風景だった8畳の部屋が、完全に生まれ変わっていた……。
1番奥には1人で寝るには余裕のあるサイズのベッド。
その横にはサイドテーブルがあり、その上には小さな黒いランプがある。
部屋の真ん中には、存在感が強めな3人くらい座れそうなグレーのソファが置かれている。
ソファの前には白いテーブルが。
その前には大きなテレビがあり、テレビと同じくらい大きなスピーカーが左右に置かれている。
……これで音楽を聴いたり、映画を観たりするのかな……。
付き合ったといってもまだ日が浅い私たち。
お互いに知らないことだらけだ。
それに、男の子の部屋に入ること自体生まれて初めて……ということで、絶賛緊張中。
1人暮らしなわけでもないし毎日顔を合わせてるのに、なんでこんなにドキドキしちゃうの……⁉︎
「入らないの?」
ドアの前で立ち止まっている私を不思議に思ったのか、すでにテーブルに勉強道具を広げている善が私を凝視した。