無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
善の甘い声しか聞こえない静かな空間。
さっきまで勉強をしていた真面目くんはいったいどこに行ってしまったんだろう。
そう思うものの……善から向けられる熱い視線に負けてしまいそうになる。
「……まだ勉強終わってないよ?」と、必死に抵抗はしてみるけど……。
「あとでいいよ。もう我慢の限界」
ゆっくりと起き上がった善は私の左腕を自分のほうへと引き寄せーー2人の唇は優しく重なった。
私はキスをされた瞬間、反射的に目を閉じた。
軽く触れて離れた唇。
私もゆっくりと目を開ける。
目の前には……思わず見惚れてしまうほど顔が整った善がいた。
「凛李、また緊張してる」
「そんなこと、ないよ……」
「唇に力が入ってて硬い」
「……っ」
「……かわい」
善はフッと息を吐いて笑うと、また私に顔を近づけてキスをしてきた……。