無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

離れては触れるを繰り返すキス。

善はわざと離れるたびに私の様子を伺って片方の口角をあげる。
私がされるがままなのがおもしろいのだろうか。



「……勉強するんじゃないの……」



このキスが永遠に終わらなそうな気がして、私は勇気を振り絞って善の胸を押した。



「キスしに来たわけじゃないって?」

「……そうだよ」

「もう集中力切れた」

「ちょっ、善……⁉︎」



私の返事を聞くと、善はベッドへ行って横になってしまった。

そりゃあ、善のことが好きだから、キスしてくれるのはすごくうれしいけど……限度というものがあるでしょう?
それに、善に教えなきゃいけない公式はまだまだある。

しかし、集中力が切れてしまったらしい善は一向にベッドから降りようとしなかった。
集中力だけじゃなくて、電池も切れちゃったんじゃないの……?

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