無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

私はいつも通り全教科でクラス1位となり、善も他の教科の点数も上がっていたらしく、これから2人で勉強するのも悪くないのかもしれない。

テスト返しも終わりーー"スキンシップ禁止令"を出してから10日が経った。


善に耳元でささやかれたあの日から、私に変化が起こった。

善が近くを通ったり、善と話しているだけで無性に触りたくなってしまうのだ。

無駄に唇を見てしまったり、お風呂上がりの濡れた髪からしたたるしずくを追ってしまったり……。
これじゃあ、ただの変態だ。


善はあの軽いハグ1回だけで、それ以外一切私に触れてくることはなかった。

そう約束させたのは他の誰でもない私なのに、だんだんととんでもない約束をしてしまったのではないかと後悔が生まれてきた……。

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