無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

好きって気持ちと相手も自分のことを大切に思ってくれているのがわかれば安心できる。
両想いになって付き合うということは、必ずしもスキンシップをとることではない。


……そう思っていた私が、今はなぜかとても善に触れたいと思っている。

なんだろうこの衝動は……抑えられそうにない。
善に冷たくされてるわけでも、話をしてないわけでもないのに……。

私の変化に気づいていないであろう善は、相変わらず優しい。

私たちが付き合っているということがバレないために学校では一定の距離をとり、家でも2人きりになることはなかった。

私が提案したときはあんなに不服そうだったから、まさかこんなに徹底して約束を守ってくれるとは思ってなかった。


……まさか、私に禁断症状が出てしまうなんて。
誰かに触れたいなんて、そんなことを思う日がくるなんて……。
< 154 / 390 >

この作品をシェア

pagetop