無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
そんなこんなで金曜日の最後の授業が終わり、やっと週末にーー。
私は帰る支度を済ませ、教室を出た。
善の教室の前を通り、ふと目をやるとそこには……女の子数人に囲まれた善の姿が。
この光景は決して今日初めて見たわけではない。
以前から善の周りには常に女の子がいる。
ただ、他人に興味がない善はどんなに女の子たちが騒ごうと一切反応しない。
そのため、女の子たちは諦めてすぐに退散するのだが、他の女の子たちがまた善の元へとやってくる。
いわゆる"モテる"部類に入る善がそうなることは必然であって、みんなに彼女だと公言することもできない地味で弱虫な私にできることはない。
……そんなの百も承知でわかっているはずなのに、今日に限ってモテモテな善を目の当たりにしてイライラしてしまう。