無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「どこまでならしていいの?」
「え……?」
善はまた私を引き寄せ、私は善に抱きつく形になった。
そして、善は私の耳元でーー。
「凛李だって、まったく俺に触れないのは辛いだろ?」と甘くささやいた。
「正直、一緒に住んでるのにこんなに触れられないのって辛くて辛くてしかたないんだけど。生殺しだよ」
「そこまで……?」
「凛李だってそうでしょ? 我慢できなくて寝込み襲おうとしたんじゃないの?」
襲う……⁉︎ 私が⁉︎
失礼極まりない、と反論しようとしたけど……下心ありありで顔を近づけたことには変わりないので、ここはひとまずなにも言わないことにした。
「唯さん帰ってくるの遅いんでしょ? イチャイチャするなら今しかないと思うよ」
「でも、瑠月が……」