無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

しかし、このタイミングで私のスマホのメッセージの通知音が鳴った。
すぐ後ろのテーブルに置いてあるスマホを見ると瑠月からメッセージが届いていた。

【今日は力夜んちに泊まります!ママの許可ももらってるよーん!柊木くんと楽しんで〜!】



「瑠月泊まってくるって……」



私の言葉に善はなにも返さず、上半身を起こしてソファに座る。



「どこまでならしていいって決まり作ってよ」

「え……」

「そしたら、それ以上は絶対にしない」


善はそう言って真面目な表情で私のことをまっすぐと見つめてくる。

このままその胸に飛び込みたい……。
髪の毛をわしゃわしゃと無造作に触りたい。

そう思い始めた私も、すっかり善の虜なんだなと思い知らされる。


でも、どこまでって難しくない……?
逆にカップルのスキンシップってどんなことがあるの⁉︎
手をつなぐ、抱きしめる、キス……それ以外にって……。

私の脳内に一瞬だけ……ムフフなことが浮かんだが、首を横に何度か振ってなんとか消させた。

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