無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

一度唇は離れ、善のきれいな瞳が私をとらえる。
さっきまで夢中になってキスをしていたからこそ、この少しの間が恥ずかしい。

ーーしかし、善は私の後頭部を優しく支えながら……そっと私を押し倒した。

まだ、するの……?

心の中でそんなことを考えている一瞬の間に、再び唇は塞がれていた。

善が上にいるから、体の重さも加わってか自然とキスが深くなる。


「まっ……て……」

「待てない」

「……苦しいっ、よ……」


このままだと息が続かなくて呼吸困難を引き起こしかねない。
私は力を振り絞って善の胸を押した。


「この2週間、俺のほうが苦しかった」


てっきり拗ねるのかと思っていた善は、予想外の反応をした。
目をうるうるとさせ、口をすぼませる。
その表情を見てるだけでいたたまれない気持ちになった。

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