無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
でも、まんまと引っかかるのも私のプライドが許さない。
「さっきのはウソ。やっぱりできる」
私は見え見えな去勢を張って、再びボタンに手をかけた……。
ーーひとつ、またひとつと外していく。
そのたびにあらわになる……善の身体。
着痩せするタイプなのか、意外にも筋肉質で男らしい体つきにドキドキが止まらない。
これはただの業務。
お風呂に入るためのただのお手伝い。
ドキドキする要素なんて一切ない。
……そうは思っていたけど、どうしても視線を奪われてしまう。
最後のボタンを外し終わったところで、ほのかに善の香水の匂いがした。
シトラス系の香りが私の鼻をかすめた。
その瞬間、私の中のなにかがプツンと切れたのがわかったーー。
Yシャツに袖を通してるだけの状態の善の背中に腕を回し、私は善の胸に頬をくっつけ善に抱きついた。