無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
ーー冬期講習1日目。
塾は一角の細長いビルの中にあり、1階2階3階でわかれている。
短期講習の人たちは3階の教室。
私はエレベーターに乗り、さっそく教室へと向かった……。
ワンフロアに2部屋あり、指定されたほうの奥の教室へと入る。
友達と通うことにしたのか、たまたまこの場で会ったのか……談笑している人が数人。
それ以外の人は机に座って静かに参考書や教科書に目を通している。
席は好きなところに座っていいらしく、ラッキーなことにまだ半分くらいしか埋まっていない。
私は質問をすぐにできるように、前から2列目の真ん中の席に座った。
ーーすると、となりに男の子が座ってきた。
まだ席がたくさん空いているのにも関わらず、どうして私のとなりに……⁉︎
どうせ開始の時間になったら勉強に集中して気にならなくなるだろう。
けど、やっぱり善以外の男の子は苦手だからできれば女の子がよかったな……なんて、考えているときだった。
となりの人がかばんから荷物を出している途中で、筆箱を落としてしまった。
そして悪魔のいたずらなのか、その筆箱は私の机の前へと転がってきた。