無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

「瑠月(るる)、この前も芸能事務所のスカウトされたんでしょ?こうなったら入っちゃえば?」

「芸能界なんて入るのは簡単でも、成功するのはひと握りでしょ?それに、大好きな彼氏と会えなくなるのいやだし〜」



芸能事務所にスカウトされるほどかわいいのは、若菜 瑠月(わかな るる)。

私と1つ歳が離れている妹だ。


二重幅の広い大きな目とプルプルの唇、瑠月はとても容姿に恵まれている。

私とはまったく似ていない。

そんな瑠月は、今年の春から私と同じ学校の1年生になった。

メイクやヘアアレンジなど、女子力は圧倒的に瑠月のほうが高い。

瑠月は瑠璃の宝石のように輝く女性になってほしいと思ってつけたらしい。

その名のとおり、瑠月は誰よりもかわいく輝く女性に育った。



私たちは年子だからか、自然と周りの人に比べられることが多かった。

地味で目立たない姉の私と、アイドルのようにかわいくていつも目立つ妹の瑠月。

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