無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
[3]あざとい×真面目

好きなように生きなきゃ


冬期講習は冬休みの前半と後半にわけられている。
前半は12月の26日から28日の3日間、後半は1月4日から6日まで。

授業は90分授業×4教科で行われ、授業が終わるごとに10分休憩、お昼休憩が30分ある。
朝の9時10分にはスタートし、夕方の16時には終わるスケジュールなので、講習の日は1日塾にいることになる。

ーーつまり、秦くんとはいやでも顔を合わせなければいけないということだ。

今さら教室を変えることはできないし、席を変えることはできるけど、秦くんはなぜか絶妙なタイミングで私のとなりを陣取ってくる。

10分休憩のたびに話しかけられ、唯一のリラックスできるお昼休憩も秦くんはとなりから動こうとしないため、苦痛な時間だ。
むしろ授業中のほうが私語は禁止なので、話しかけられず勉強に集中できるのでよかった。



「若菜にあんなかっこいいいとこがいるなんてな。柊木って、よく家に来るの?」

「……」

「さすがに無視は辛いから、そろそろ答えてよー」

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