無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「ちょうどバイトが終わったから」
「そ、そう! 今日はたまたまうちに来る日だしバイト先と塾が近いからいっしょに帰る約束してたんだよね⁉︎」
「……そうなんだ。いとこでこんなに仲良いのってめずらしいね」
苦しい言い訳だけど、同居と付き合ってることがバレるよりはマシだ。
「じゃあ……」
「俺も帰る方向同じだから、いっしょに帰ろうよ」
「いいよ」
秦くんに即答する善。
なんでいいよなんて言ったの……⁉︎
なにかしら理由つけていっしょに帰れないって言ってくれればよかったのにー……。
しかし、時すでに遅し。
すでに2人は歩き始めていた。