無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
嫌じゃないんだ?
柊木善が引っ越してきてから3週間が経った。
学校中の女の子から狙われている柊木善と同居してることがバレたら今までどおりの学校生活を送れないと思い、絶対に同居のことは言わないと決めた。
瑠月に頼んで刀夜くん伝いで柊木善にもそのことを伝え、ヒミツにすると約束してくれたらしい。
そもそもいろんなことがめんどくさいタイプだから、わざわざ言うこともなさそうだけどね。
ーーそして、夏休みにも突入。
暑いのが苦手な私にとっては嫌な季節が来てしまった。
あの"キスしてほしかったら、部屋においで"事件以来、柊木善とは必要最低限の会話以外はしていない。
放課後も彼はほとんどいないから顔を合わせることがなかった。
……さすがに、あのときは言いすぎてしまったと、今さらだけど反省してる。
柊木善という人間をよく知りもしないで、勝手なイメージを抱き、さらには「がっかりした」なんて言ってしまった……。
私はいったい何様なんだよ。
バイトもしたことがなければ、まともな恋愛もしたことがないのに偉そうなことを次から次へと……。
柊木善がなにをしてようが私には関係のないことなのに、私の中の彼のイメージが崩れた途端当たってしまった。