無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
秦くんが特別なにかをしてきたわけでもないんだから、そもそもそんなに警戒しなくてもいいのかもしれない。
過去のことやしつこい性格などを含めて苦手ではあるけれど。
私と善はこうして毎日顔を合わせるんだから、なにかあっても話ができる。
……心配することなんてない。
そう思うのにーーなぜか、胸のざわつきはとれなかった。
あっという間に終わってしまった冬休み。
私は週に1回の塾、善は週に3、4回のカフェのバイト。
必然と顔を合わせる回数は減ってくるわけで……。
「ねぇ、凛李……大丈夫?」
家のソファで横になっていた私をものすごく心配そうに上から見てくる瑠月。
「別に大丈夫だけど……」
「いや、いつも別にテンション高いわけじゃないわけじゃないけど、すごく負のオーラがただよってるから……」
「負のオーラって……目に見えないものの話しないでよ」