無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

私は……ここで覚悟を決めた。



「……秦くん、ごめん。私ウソついてた」

「え?」

「善はいとこじゃないの。善の親と私の親が知り合いで、しばらくの間私の家でいっしょに暮らしてるの」

「……」

「それと……善は、私の大事な人」



善の顔を直接見なくてもわかる。
私が突然カミングアウトをするもんだから、きっと目を丸くしておどろいた顔をしているにちがいない。



「それってつまり、2人は付き合ってるってこと?」



私はうなずいた。



「やっぱりね、どうもいとこ同士の距離感じゃないなぁと思ってたんだよね。柊木は俺のことずっと睨んでくるし」



え⁉︎ 秦くんのことずっと睨んでたの⁉︎

それはさすがに知らなかったから、私は思わず善を見上げた。
善は悪びれる素ぶりもなく平然としている。
……どうやら事実のようだ。

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