無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
このまま帰って秦くんに会うのはいやだから、私たちは気持ち的にも少し落ちつくまで近くの小さな公園で話すことにした。
ブランコとすべり台とベンチが2つしかない狭い公園だけど、夜だから静かで誰からの視線もなくて気持ちが落ちついてきた。
私と善はベンチに並んで座った。
公園に来る前に自動販売機で善が買ってくれた温かいペットボトルの紅茶を口へと運ぶ。
「バラしてよかったの?」
「だって、ウソつくのって疲れるから」
「それだけ?」
「……善がバカにされるのが許せなかったの」
「……それだけ、じゃないよね」
わかってるくせに、善は聞いてくる。
「善の彼女だって言いたくなったの。悪い?」