無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

その子が指を指した先には黒板があり……そこには1枚の写真が磁石で貼ってあった。
私は立ち上がり、写真を確認する。
ーーそこには、繁華街を手を繋いで歩く私と善のの姿があった。

善の彼女が私かもしれないということは、こんな決定的な証拠写真があっても信じたくないんだろう。

その気持ちはよくわかる。
……でも、ひとつもウソじゃないから。



「付き合ってるよ」

「……ふぇ?」

「柊木くんと付き合ってる」

「若菜さんて、じょ、冗談も言えるんだねっ⁉︎」



口元を手で抑えて笑う女の子。
私の予想外の言葉に一気にざわつく教室内。

……すると、廊下がさらに騒がしくなった。
気になり、廊下へ視線を向けると、そこには善がいた。
善は私を見つけ、教室へと入ってくる。
ズボンのポケットに両手を入れて、無表情でだるそうにこっちへ向かってくる。
私の席まで来て、女の子のとなりに並んだ。

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